運送需要者
・原則として単数の者(単数の人という意味ではない)に特定されていること。
通常は、単一の企業が、自社の社員を最寄りの駅に送迎するなど、運送事業者と特定の者との契約によって成り立ちます。
しかし、実質的に単数なら、複数の需要でも特定されているとみなされます。
例えば、工業団地を巡回して、複数の企業の社員を運送する送迎バスにおいて、当該複数の企業が運送目的を同じくして、運送事業者と「単一の」契約を結ぶ場合などです。
・運送需要者が運送契約の締結や運送の指示を行い、第三者に介入させない等、自らの運送需要を満たすために契約していること。
取扱客
・一定の範囲に限定されていること。
・需要者の負担で輸送することに合理性があること。
需要者の事業目的を達成する目的、需要者の施設を利用させる目的といった、需要者の負担で送迎する(いわゆる無料送迎バスなど)が該当します。
路線または営業区域
・需要者の需要に沿った路線または営業区域であること。
・路線が事業用自動車の運行上、問題がないこと。
公衆の利便
他の旅客自動車運送事業者による、一般旅客自動車運送事業(路線バスやタクシー等)が、計画通り運行できないなど公衆の利便を著しく阻害しないこと。
営業所
・1年以上の使用権原を有すること。
自己所有なら登記事項証明書で、賃貸なら賃貸契約書で確認します。
契約期間の残りが1年未満の賃貸でも、自動更新なら認められます。
・都市計画法、建築基準法、消防法、農地法などの関係法令に抵触してないこと。法令に抵触していない旨の宣誓書の提出があります。
・事業計画、運行計画、運行管理が適切に行われ、事業の遂行に支障のないこと。
事業用自動車
申請者が使用権原を有すること。
自己所有なら車検証、購入なら売買契約書、リースならリース契約書で確認します。
自動車車庫
・原則的に、営業所に併設されていること。
併設できない場合は、営業所から2kmの範囲内で認められます。
・車両の間隔、車両と車庫の境界の間隔が、50cm以上離れ、事業用自動車を全て収容できる車庫であること。
・車庫以外の用途に使用される場所と、明確に区分けされていること。
・1年以上の使用権原を有すること。
自己所有なら登記事項証明書で、賃貸なら賃貸契約書で確認します。
契約期間の残りが1年未満の賃貸でも、自動更新なら認められます。
・都市計画法、建築基準法、消防法、農地法などの関係法令に抵触してないこと。法令に抵触していない旨の宣誓書の提出があります。
・車両の点検、整備、清掃のための施設を整えていること。
・車両の出入りに支障がなく、前面道路の幅員が車両制限令に抵触しないこと。
明らかに支障がない道路を除き、前面道路の幅員は、道路管理者が発行する幅員証明書によって証明します。
前面道路が私道である場合、当該私道の所有者から通行の承認があり、なおかつ接続する公道が、車両制限令に抵触しない必要があります。
休憩・仮眠・睡眠施設
・原則として営業所や車庫に併設されていること。
併設できない場合は、営業所と車庫のいずれからも2kmの範囲内で認められます。
・事業計画を適切に遂行できる規模で、適切な施設であること。
・1年以上の使用権原を有すること。
自己所有なら登記事項証明書で、賃貸なら賃貸契約書で確認します。
契約期間の残りが1年未満の賃貸でも、自動更新なら認められます。
・都市計画法、建築基準法、消防法、農地法などの関係法令に抵触してないこと。法令に抵触していない旨の宣誓書の提出があります。
管理運営体制
・法人では常勤役員1名以上が、専従すること。
※特定旅客自動車運送事業では常勤役員の法令試験がありません。
・営業所ごとに、配置する車両数によって義務付けられる、有資格で常勤の運行管理者を選任すること。
複数の運行管理者を選任する営業所では、統括運行管理者を選任します。
・運行管理の指揮命令系統が明確であること。
・自動車車庫を営業所に併設できないときは、常時密接な連絡を取れる体制であると共に、点呼等を確実に実施できること。
・事故防止等の教育、指導体制を整え、事故の処理ならびに報告体制、緊急時の連絡・協力体制が整備されていること。
・運行管理者、指揮命令系統、点呼等、事故防止等の体制について、運行管理規程が定められていること。
・常勤で有資格の整備管理者を選任すること。
グループ企業内において整備管理者を外部委託する場合は、この限りではありません。
運転者
事業計画の遂行に必要な運転者を常時確保し、適切な乗務割、労働時間であること。
運転者は、日雇い、2ヶ月以内の期間雇用、試用期間中(14日以内)、14日未満の期間で賃金が支払われる者では認められません。
法令遵守
・社会保険の加入義務者が社会保険に加入すること。
・決められた期間内に法令の違反歴がないこと。
※対象の法令については別に説明しています。
損害賠償能力
国土交通省の告示で定める基準に適合した任意保険、または共済に加入していること。
告示の基準は、対人が1人につき8,000万円以上、対物が1事故につき200万円です。
この証明は、加入契約の申込書の写し、加入に対する見積書の写し、加入することの宣誓書などを提出することで行います。