営業区域
【北海道の場合】
北海道では、原則的に運輸支局の管轄区域が営業区域になります。
運輸支局の管轄区域に近接する他の地域を営業区域にする場合は、最寄りの営業所より50km以内の市郡が対象です。
【都府県(沖縄県を除く)場合】
都府県では、原則的に都府県を営業区域とします。
都府県の境界に接する市町村(東京特別区と政令指定都市では区)では、地形的な隔たりがない場合に限り、隣接する都府県の市町村を営業区域にできます。
【沖縄県の場合】
沖縄県では、県内の島しょを1つの区域として考えます。
島しょと島しょが橋梁で繋がっている場合は、複数の島しょが1つの区域になります。
隣接(北海道では近接)する地域を営業区域に含めた場合、合併等で当該市町村区域が拡大した場合は、拡大後の市町村を含んだ区域が営業区域になります。
逆に、分割等で市町村区域が縮小した場合は、縮小前の区域が営業区域として残ります。
営業所
・営業区域内にあること(隣接または近接によって含める地域を除く)。
複数の営業区域を設定する場合は、それぞれの営業区域で営業所が必要です。
・3年以上の使用権原を有すること。
自己所有なら登記事項証明書で、賃貸なら賃貸契約書で確認します。
契約期間の残りが3年未満の賃貸でも、自動更新なら認められます。
・都市計画法、建築基準法、消防法、農地法などの関係法令に抵触してないこと。法令に抵触していない旨の宣誓書の提出があります。
・事業計画、運行計画、運行管理が適切に行われ、事業の遂行に支障のないこと。
事業用自動車
大型車、中型車、小型車の3つの区分があり次のように分けられます。
車種区分は、最低車両数に影響します。
大型車:車両の長さが9m以上または旅客席数50人以上
中型車:大型車、小型車以外の車両
小型車:車両の長さが7m以下で旅客席数が29人以下
・1年以上の使用権原を有すること。
自己所有なら車検証、購入なら売買契約書、リースならリース契約書で確認します。
車両数
1営業所につき、最低3両を設置すること。
ただし、大型車を使用するときは、営業所ごとに5両以上です。
このため、3両以上で5両未満では、中型車・小型車での営業に限定されます。
自動車車庫
・原則的に、営業所に併設されていること。
併設できない場合は、営業所から2kmの範囲内で認められます。
ただし、2km内に設置できない特別な事情があれば、例外も認められます。
・車両の間隔、車両と車庫の境界の間隔が、50cm以上離れ、事業用自動車を全て収容できる車庫であること。
・車庫以外の用途に使用される場所と、明確に区分けされていること。
・3年以上の使用権原を有すること。
自己所有なら登記事項証明書で、賃貸なら賃貸契約書で確認します。
契約期間の残りが3年未満の賃貸でも、自動更新なら認められます。
・都市計画法、建築基準法、消防法、農地法などの関係法令に抵触してないこと。法令に抵触していない旨の宣誓書の提出があります。
・車両の点検、整備、清掃のための施設を整えていること。
・車両の出入りに支障がなく、前面道路の幅員が車両制限令に抵触しないこと。
明らかに支障がない道路を除き、前面道路の幅員は、道路管理者が発行する幅員証明書によって証明します。
前面道路が私道である場合、当該私道の所有者から通行の承認があり、なおかつ接続する公道が、車両制限令に抵触しない必要があります。
休憩・仮眠・睡眠施設
・原則として営業所や車庫に併設されていること。
併設できない場合は、営業所と車庫のいずれからも2kmの範囲内で認められます。
ただし、2km内に設置できない特別な事情があれば、例外も認められます。
・事業計画を適切に遂行できる規模で、適切な施設であること。
・3年以上の使用権原を有すること。
自己所有なら登記事項証明書で、賃貸なら賃貸契約書で確認します。
契約期間の残りが3年未満の賃貸でも、自動更新なら認められます。
・都市計画法、建築基準法、消防法、農地法などの関係法令に抵触してないこと。法令に抵触していない旨の宣誓書の提出があります。
管理運営体制
・法人では常勤役員1名以上が、専従すること。
・安全管理規程を定め、安全統括責任者を選任すること。
・営業所ごとに、配置する車両数によって義務付けられる、有資格で常勤の運行管理者を選任すること。
複数の運行管理者を選任する営業所では、統括運行管理者を選任します。
・運行管理の指揮命令系統が明確であること。
・自動車車庫を営業所に併設できないときは、常時密接な連絡を取れる体制であると共に、点呼等を確実に実施できること。
対面での点呼が困難であれば、電話等の方法で確実に行われなくてはなりません。
・事故防止等の教育、指導体制を整え、事故の処理ならびに報告体制、緊急時の連絡・協力体制が整備されていること。
・運行管理者、指揮命令系統、点呼等、事故防止等の体制について、運行管理規程が定められていること。
・常勤で有資格の整備管理者を選任すること。
グループ企業内において整備管理者を外部委託する場合は、この限りではありません。
・利用者等からの苦情処理に関する体制が整備されていること。
運転者
事業計画の遂行に必要な運転者を常時確保し、適切な乗務割、労働時間であること。
運転者は、日雇い、2ヶ月以内の期間雇用、試用期間中(14日以内)、14日未満の期間で賃金が支払われる者では認められません。
資金計画
次のような資金を見積もり、所要資金の50%、事業開始のための資金の100%を申請日以降において常時確保しなければなりません。
所要資金 | 事業開始のための資金 | |
車両費 | 未払金を含む取得価格 リースなら1年分の賃借料 |
一括払いなら全額 分割払いなら頭金+6ヶ月分 リースなら6ヶ月分の賃貸料 |
土地費 | 未払金を含む取得価格 賃貸なら1年分の賃借料 |
一括払いなら全額 分割払いなら頭金+6ヶ月分 賃貸なら6ヶ月分の賃貸料 ※敷金等を含む |
建物費 | ||
機械器具・什器備品 | 未払金を含む取得価格 | |
運転資金 | 2ヶ月分(人件費、燃料油脂費、修繕費) | |
保険料 | 1年分(自賠責、任意保険) | |
租税公課 | 自動車取得税の全額 自動車税、自動車重量税の1年分 |
|
創業費等 | 全額(運輸開始までの人件費、宣伝費など) | |
必要な自己資金量 | 50% | 100% |
法令遵守
・申請者(法人であれば代表権を有する常勤の役員1名)が、事業の遂行に必要な法令の知識を保有していること。
この判断は、関連法規が出題範囲の法令試験の合格によって行われます。
・社会保険の加入義務者が社会保険に加入すること。
・決められた期間内に法令の違反歴がないこと。
※対象の法令については別に説明しています。
損害賠償能力
国土交通省の告示で定める基準に適合した任意保険、または共済に加入していること。
告示の基準は、対人が1人につき8,000万円以上、対物が1事故につき200万円です。
この証明は、加入契約の申込書の写し、加入に対する見積書の写し、加入することの宣誓書などを提出することで行います。