営業区域
・各運輸局長(沖縄県においては沖縄総合事務局長)が定めた区域であること。
この区域は、主に交通圏と呼ばれる複数の市町村(または郡)を単位としています。
・営業区域に営業所を設置していること。
営業所
・営業区域内にあること。
複数の営業区域を設定する場合は、それぞれの営業区域で営業所が必要です。
・3年以上の使用権原を有すること。
自己所有なら登記事項証明書で、賃貸なら賃貸契約書で確認します。
契約期間の残りが3年未満の賃貸でも、自動更新なら認められます。
・都市計画法、建築基準法、消防法、農地法などの関係法令に抵触してないこと。法令に抵触していない旨の宣誓書の提出があります。
・事業計画、運行計画、運行管理が適切に行われ、事業の遂行に支障のないこと。
事業用自動車
1年以上の使用権原を有すること。
自己所有なら車検証、購入なら売買契約書、リースならリース契約書で確認します。
車両数
車両数は運輸局長が定める営業区域別に決まっており、その定めに従います。
車両数には一般の需要に応えることができない、車椅子専用車両等は含めません。
基本的な考えとしては、都市部を含む営業区域では10両以上、市町村を含む営業区域では5両以上です。
営業区域の定めがない地域では2両以上になり、離島など1両以上で営業を認める地域もあります。
なお、同一の営業区域に複数の営業所を設置する場合は、複数の営業所の車両数を合算できますが、それぞれの営業所においては5両以上の車両数でなくてはなりません。
自動車車庫
・原則的に、営業所に併設されていること。
併設できない場合は、営業所から2km以内の営業区域内で認められます。
また、偏った分散配置は、運行管理が適切に行われないおそれから認められません。
・車両の間隔、車両と車庫の境界の間隔が、50cm以上離れ、事業用自動車を全て収容できる車庫であること。
・車庫以外の用途に使用される場所と、明確に区分けされていること。
・3年以上の使用権原を有すること。
自己所有なら登記事項証明書で、賃貸なら賃貸契約書で確認します。
契約期間の残りが3年未満の賃貸でも、自動更新なら認められます。
・都市計画法、建築基準法、消防法、農地法などの関係法令に抵触してないこと。法令に抵触していない旨の宣誓書の提出があります。
・車両の点検、整備、清掃のための施設を整えていること。
・車両の出入りに支障がなく、前面道路の幅員が車両制限令に抵触しないこと。
明らかに支障がない道路を除き、前面道路の幅員は、道路管理者が発行する幅員証明書によって証明します。
前面道路が私道である場合、当該私道の所有者から通行の承認があり、なおかつ接続する公道が、車両制限令に抵触しない必要があります。
休憩・仮眠・睡眠施設
・原則として営業所や車庫に併設されていること。
併設できない場合は、営業所と車庫のいずれからも2kmの範囲内で認められます。
・他の用途に使用される部分と明確に区別され、事業計画を適切に遂行できる規模で、適切な施設であること。
・3年以上の使用権原を有すること。
自己所有なら登記事項証明書で、賃貸なら賃貸契約書で確認します。
契約期間の残りが3年未満の賃貸でも、自動更新なら認められます。
・都市計画法、建築基準法、消防法、農地法などの関係法令に抵触してないこと。法令に抵触していない旨の宣誓書の提出があります。
管理運営体制
・法人では常勤役員1名以上が、専従すること。
専従する常勤役員のうち1名は、法令試験に合格しなくてはなりません。
・営業所ごとに、配置する車両数によって義務付けられる、有資格で常勤の運行管理者を選任すること。
複数の運行管理者を選任する営業所では、統括運行管理者を選任します。
・運行管理の指揮命令系統が明確であること。
・自動車車庫を営業所に併設できないときは、常時密接な連絡を取れる体制であると共に、点呼(原則として対面での点呼)等を確実に実施できること。
・事故防止等の教育、指導体制を整え、事故の処理ならびに報告体制、緊急時の連絡・協力体制が整備されていること。
・運行管理者、指揮命令系統、点呼等、事故防止等の体制について、運行管理規程が定められていること。
・旅客自動車運送事業運輸規則に定められた、運転者への指導を行うことができる体制があること。
・営業区域内の地理、利用者等に対する応接に関する指導要領の規程と、指導監督を統括する指導主任者が選任されていること。
・常勤で有資格の整備管理者を選任すること。
グループ企業内において整備管理者を外部委託する場合は、この限りではありません。
・利用者等からの苦情処理に関する体制が整備されていること。
運転者
事業計画の遂行に必要な運転者を常時確保し、適切な乗務割、労働時間であること。
運転者は、日雇い、2ヶ月以内の期間雇用、試用期間中(14日以内)、14日未満の期間で賃金が支払われる者では認められません。
また、定時制乗務員の選任の際には、適切な就業規則と適切な乗務割によって乗務日時を決定しなくてはなりません。
資金計画
次のような資金を見積もり、所要資金の50%、事業開始のための資金の100%を申請日以降において常時確保しなければなりません。
所要資金 | 事業開始のための資金 | |
車両費 | 未払金を含む取得価格 リースなら1年分の賃借料 |
一括払いなら全額 分割払いなら頭金+2ヶ月分 リースなら2ヶ月分の賃貸料 |
土地費 | 未払金を含む取得価格 賃貸なら1年分の賃借料 |
一括払いなら全額 分割払いなら頭金+2ヶ月分 賃貸なら2ヶ月分の賃貸料 ※敷金等を含む |
建物費 | ||
機械器具・什器備品 | 未払金を含む取得価格 | |
運転資金 | 2ヶ月分(人件費、燃料油脂費、修繕費) | |
保険料 | 1年分(自賠責、任意保険) | |
租税公課 | 自動車取得税の全額 自動車税、自動車重量税の1年分 |
|
創業費等 | 全額(運輸開始までの人件費、宣伝費など) | |
必要な自己資金量 | 50% | 100% |
法令遵守
・申請者(法人であれば業務に専従する常勤の役員1名)が、事業の遂行に必要な法令の知識を保有していること。
この判断は、関連法規が出題範囲の法令試験の合格によって行われます。
・社会保険の加入義務者が社会保険に加入すること。
・決められた期間内に法令の違反歴がないこと。
※対象の法令については別に説明しています。
損害賠償能力
国土交通省の告示で定める基準に適合した任意保険、または共済に加入していること。
告示の基準は、対人が1人につき8,000万円以上、対物が1事故につき200万円です。
この証明は、加入契約の申込書の写し、加入に対する見積書の写し、加入することの宣誓書などを提出することで行います。